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2007/10/29 (月) 21:33

におつひめ、と読みます〜『丹生都比売』

丹生都比売丹生都比売
(1995/11)
梨木 香歩

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《本の紹介》
これは、歴史上の人物を材にとった物語。そういう意味で、梨木香歩の他の物語とは一味違うようで最初は少しとまどった。

しかし、読んでみるとこれは紛れもなく梨木香歩の作品だと思った。厳選された言葉で綴られる一見静謐で、なのにどこか異様な熱を感じる世界。母と子の葛藤というテーマ。

主人公の草壁皇子は、自らは光を放たぬ月のような存在。草壁の苦しみ、母である鵜野讃良皇女の哀しみ。それらを語る口調は、静かな緊張感に満ちている。まるで、溢れそうになるのを内と外から抑えている、皿に張った水のように。

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2007/08/10 (金) 21:31

国とは〜『村田エフェンディ滞土録』

村田エフェンディ滞土録 村田エフェンディ滞土録
梨木 香歩 (2004/04/27)
角川書店

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《本の紹介》
あれ私、この人を知っている、と思ったら『家守綺譚』に出てきた村田君ではないか。

物語はどこかで繋がっている。

そしてまた、土耳古における村田エフェンディの日々は『春になったら苺を摘みに』での作者が過ごした日々を彷彿させた。それから、『からくりからくさ』での神崎の手紙。

互いの宗教、民族や主義主張を超えた人と人との繋がり。そこに確かに存在した友情。
しかし、そこに戦争の影が覆う。

「国とは一体何なのだろう」

村田の言葉が胸に沈んだ。

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2007/05/30 (水) 21:34

すぐそこにある不思議な世界〜『家守綺譚』

家守綺譚 家守綺譚
梨木 香歩 (2004/01)
新潮社
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《本の紹介》
「ついこのあいだ、ほんの百年すこしまえ」
その頃、日々の暮らしの中には、人間以外の生き物の気配があたりまえのように漂っていたのだろう。
例えば亡き友人が床の間の掛け軸を通じて訪ねてきたり、庭のサルスベリの木に惚れられたり…。

そんな不可思議な出来事をたやすく受け容れて穏やかに生活する主人公。
自然の「気」と交歓することができるのは自然を畏れ敬う心があってこそではないか。それ故、今の世には河童も桜鬼も現れにくくなったのかもしれない。

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2007/05/10 (木) 00:55

心の闇と向き合う〜『エンジェル・エンジェル・エンジェル』

エンジェル・エンジェル・エンジェル エンジェル・エンジェル・エンジェル
梨木 香歩 (2004/02)
新潮社
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《本の紹介》
無意識のうちに周囲のニーズに合わせ、優等生を演じてしまうコウコ。崩れ落ちそうな心を抱えるコウコが熱帯魚を飼い始めた頃から、寝たきりのばあちゃんと不思議な時間を共有することになる。

この物語の主人公は二人の“少女”。彼女達はエンゼル。そしてきっとママも・・・。誰でも心に闇の部分をもっている。
もういいよ、と誰かに言ってもらえたら、少しは救われるのに。

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