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2007/09/08 (土) 22:43

もういちど屋久島へ〜『黒と茶の幻想』

黒と茶の幻想 (上) (講談社文庫) 黒と茶の幻想 (上) (講談社文庫)
恩田 陸 (2006/04/14)
講談社

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《本の紹介》
太古の自然が残るY島に集まった学生時代の友人である4人の男女。「美しい謎」を持ち寄った彼らの過去を取り戻す旅が始まる。

何気ない日常的な謎から、封印されていた過去の謎まで。
Y島という非日常の空間の中で、様々な謎が呈示されそして解かれていく。謎が謎でなくなったとき、ほっと暖かみを感じるものもあれば、心を抉られるようなものもある。

これは『三月は紅き紅の淵を』の内側の第1章。そして、物語の核となる失踪した友人“梶原憂理”は『麦の海に沈む果実』の登場人物。

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2007/09/03 (月) 22:07

複雑〜『三月は深き紅の淵を』

三月は深き紅の淵を (講談社文庫) 三月は深き紅の淵を (講談社文庫)
恩田 陸 (2001/07)
講談社

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《本の紹介》
ある1冊の特別な本をめぐる物語。
200部だけ刷られたその本を手にした人が、その本を他人に貸して良いのはたった一人に対してだけ。しかも、一晩だけに限る。
謎めいた4部作の小説。その本のタイトルは「三月は深き紅の淵を」という。

そう、この物語は入れ子式になっている。『三月は深き紅の淵を』というタイトルの本の中で語られる「三月は深き紅の淵を」という本の存在。入れ子の「内側」と『外側』の4つの物語はそれぞれ奇妙にリンクし、全体の奥行きが広がる。
しかし、そうは言ってもややこしい。
初読時は、結局第4章『回転木馬』で頭が混乱してしまった。今回読み直して、やっとこの物語の全体像が見えた気がした。

ちなみに、『外側』の物語では第2章・第3章が印象深かった。

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2007/08/27 (月) 22:52

読書の連鎖〜『図書室の海』

図書室の海 (新潮文庫) 図書室の海 (新潮文庫)
恩田 陸 (2005/06)
新潮社

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《本の紹介》
この本は恩田陸の短編10作から成る。

『蛇行する川のほとり』の感想でも書いたのだが、恩田陸の作品はラストで失速してしまい物足りなさを感じることがある。が、短編ではそういったこともなく、ぐいぐいと読めた。

不思議な話、ちょっと恐怖を覚える話など様々あり、読む人によって好きな物語も別れるだろう。
私にとって一番印象的だったのは「ある映画の記録」。
郷愁と哀愁に満ちつつ人間の恐ろしさが滲む。まさに恩田陸。

このほか、表題作は『六番目の小夜子』の番外編だし、『夜のピクニック』の前日譚となる「ピクニックの準備」、『麦の海に沈む果実』に出てくる水野理瀬の幼年期が描かれた「睡蓮」なども納められている。

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2007/07/13 (金) 19:35

熱〜『球形の季節』

球形の季節 球形の季節
恩田 陸 (1999/01)
新潮社

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《本の紹介》
東北地方の田舎町で流行する金平糖のおまじない。そこで起こった「エンドウさんが宇宙人にさらわれる」という噂話。そして起こる不思議な事件。

田舎ならではのぼんやりした暗さと微熱を帯びたような高校生達の心理状態が描かれ、作者独特の雰囲気を醸し出している。いわゆる学園モノという点で『六番目の小夜子』と共通し、東北地方を舞台にし特別な能力を持った人物が登場するという点で『常野物語』を想起する。

この読み心地は結構好きなのだけれど、最後が中途半端。いきなり投げ出されて途方に暮れた。

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2007/06/29 (金) 23:16

絆〜『蛇行する川のほとり』

蛇行する川のほとり 蛇行する川のほとり
恩田 陸 (2004/11)
中央公論新社

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《本の紹介》
憧れの先輩である香澄と芳野から夏休みの「合宿」に招かれて上機嫌の鞠子。しかし、次第に毬子のまわりには不穏な気配が漂いだす。
合宿の場である香澄の家は、かつて『船着場のある家』と呼ばれていた家。その辺りは、かつて同じ時期に二つの事件が起こった場所。その場所で、過去の事件にまつわる少女たちの運命は少しずつ動き出す。そして夏の煌めく光の下、少女は大人になっていく。

恩田陸の作品を読んでいる最中は、いつも胸の中がざわざわとして不安な気持ちになる。この物語も例外ではなく、そこから生じる緊張感が心地よい。

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